noven’s

ただ生きてるだけなのにどこか哀しくて、本人大真面目なのになんだか笑える。おっさん自身を含めたそんな愛すべきダメおやじ達を、少しのフィクションを交えながら紹介したいと思います。

愛すべきダメおやじコレクション #0

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おっさんね、ブログを始めようと思う。

昔やってたことがあるの、ブログ。

もう15年くらい前、おっさんはしょうもないミュージシャンをやっていて、そん時に自分のHPにリンク貼って書いていた。あのときははてなダイアリーだった。

けっこう周囲の評判はよかったように思う。音楽関係の冊子に、依頼されてコラムを寄稿したこともあったから、それなりに良い出来だったんだと思う。どこかで紹介された記憶もある。

非常に嬉しかったもんだ。書くことも好きだったしね。

でもやめた。真人間になろうと一念発起して、しょうもないミュージシャンと一緒にブログもスッパリやめた。途端に家族ができた。だから一生懸命働いた。

家族と仕事。それだけあれば人生はそこそこ忙しい。

おっさん若い頃はけっこうなクズだった。今マトモなのかといわれれば良く分からんが、それでもあの頃よりはましだと思ってる。ミュージシャンをやめたおかげだ。曜日の感覚も身についた。ありがたい。

お天道様とともに寝て起きて、神棚に水を上げて手を合わせてから家を出る毎日。そんな日々を積み上げてゆくうちに、それなりに夫として、父親としての自分が形成され、幾許かの分別臭さも身につけ、片田舎の村社会に属する自分というものを認識できるようになった。村でも会社でも、まつりごとや方針に疑問を持たない。異論を挟まない。

行動原理の外側に自分の描いた父親像を被せたら自然とそうなった。

標準的おっさんの完成だ。

そのおっさんがなんでまたブログを始めようと思ったのかというと、別に昔を思い出して哀愁にとらわれたからとかじゃなくて、衰えてゆく自分に抗いたいからとかでもなくて……

 

単にネタがあるからなんです。

 

おっさんの周りにね、なんでか変わった人がやたら多いの。

もう変人。変人ばっか。そういう人たちとの濃密な交友記録を書き留めたいと思ったのは、そういう人たちがちょっとずつおっさんにくれたストレスのせいかもしれないね。腹いせともいうのかね。

まあとにかく、おっさんがこれまでに出会った愛すべきダメおやじたちを、ディテールをぼかしながら一人ずつ紹介していきたいと思います。

興味のある方、是非お付き合いの程。